それでは本題に入る前に、まず、前回の記事「500億円以上稼いだ「通貨の帝王」ビル・リップシュッツの秘密Aスケールトレードの具体的技術」を復習してみたい。@まず、
南アフリカランドトレード前に細部の条件まで検討し、熟考する。A次に、
先物取引マーケットを想定し、自分なりのシナリオを立てる。Bそして、突発的な出来事、失敗した際のポジションの閉じ方を決めておく。Cはじめはポジションを小さく持ち、次第にサイズ(通貨量)を大きくしていく。D勝率を低く見積もり、勝ちトレードの際の利益の取り方を決める。であった。こう書いてみると、一見、とても平凡で常識的のような技術に見えるが、やはりその「徹底さ」が普通の
株トレーダーと違うのだと思った。つまり、何か特別な秘密の技術を持っているわけではなく、自分のルールをどこまでも徹底している点が、500億トレーダーのトレード技術だと思う。そして、その徹底さは、以下に書く、「トップトレーダーの資質」が大きな原因になっていると思う。それでは、ビル氏のインタビューから、その
スカウト資質を発見し分析してみたい。@自分の関心を為替一点に絞るための徹底的な献身スタイル。「個人口座での取引をしているトレーダーたちもいたけど、それ以来、僕は止めたよ。カネを失ったからではなくて、集中力を失いたくなかったからね。2週間ごとに給料をもらって、MMFにそれを入金した。国債投資だけのファンドだよ。」(P66)「本当に優秀なトレーダーは、長時間働く、週末には仕事をする。そんなことなんか全然気にしないね。彼らのマーケットに対する献身には、終わりがないのさ」やはり、最後は、どれだけ、自分の時間を投入しているかが、非常に関係するのかと思った。どんな仕事でもプロフェッショナルといわれるメンバーは、累計何万時間と1ターゲットに絞って、経験知というものが累積されているのだとあらためて思った。これは、いいかえれば、それだけの時間を同じ真剣さで投入すれば、近いレベルまで訓練で上がることが可能であるということを示している。株式のタートルズが、まさにいい例だ。Aフィーリングや浅い思慮ではトレードしない徹底的に理知的なスタイル。「優秀なトレーダーは、フィーリングや短絡的な決断でトレードしないと思うな。特に、優秀で、生き残っていくトレーダーはね。」(P77)「僕の知っている優秀なトレーダーは、みんな頭が良くて、人並みではない努力をしている。努力とは、トレーディングに対して、献身的であり、また集中力を持っているということなんだ。」(P78)「常時、自分に問いかける。「自分は間違っていないか?どこが間違っているのか?どうしたらもっとうまくできるのか?どうしたらもっと情報を集められるのか?」と、取りつかれるようにね。」(P79)優秀トレーダーの特徴は、よく考え抜かれたシナリオ構築力だと思う。そのシナリオの精度を高めるために、あらゆる情報を世界中から24時間オンライン体制で集めている。そして、その断片的な情報を、つなぎ、予想し、ひとつの未来のシナリオを作り上げる。ここに、おそらく、非常に強い理論的な力、理性が働くのだと思う。裏を返せば、それだけ自分なりのシナリオを構築してトレードしないと、間違った場合、何がどう間違ったのか教訓をつかめたいため、生き残れなくなることを示しているのだと思った。B大多数の流れに逆行してトレードする徹底的な勇気。「マーケットで他のみんなと違うものを見抜く、という洞察力だけでは不十分だからね。それを行動に移して、管理することができなければ。人と違っているというのは辛いことだけど、基本的には、それが優れたトレーダーの仕事なのさ。」(P79)やはり、献身的でも理知的でも最後は、ポジションを持つ勇気が必要だという。これは、よく細部まで考えを詰められているからこそ、勇気が出てくるのだとも思う。上記@〜Bは、つながっていると思った。知的に完成度の高いシナリオを構築するには、常に関心を絞って、長時間投入し、その完成度の高さの確信によって、ポジションを大胆にとる勇気が生まれるのだと思った。そして、最後に、やはり、Cが必要だと思う。C常に楽しめるトレードそのものへの徹底的な好奇心。質問→一日のほとんど、夜までも、トレードに時間を取られてしまって、それでも「面白い」ですか?答え「すごく、面白いね。毎日が楽しいんだから、面白くて仕方ないよ」質問→金銭的に報酬がなくても、トレードしますか?答え「するね。絶対に。考えるまでもないよ。無報酬でトレードするさ。36歳になるけど、今まで仕事をしたと思ったことがないんだ。」まさに、最後は、このCに尽きるかと思った。「今まで仕事をしたと思ったことがない」というほど、トレードそのものを楽しんでいる。しかも24時間。結局、優秀なトレーダーは、@〜Bが条件であり、世界最高峰の超優秀トレーダーになるには、プラスCが必要なのだなとあらためて思った。今回のインタビューからの学びは大きい。この教訓を実践すれば、時間と経験量の累積にしたがって、多くの人が優秀なトレーダーになる可能性があると思った。まずは、自分から実践してみたいと思う。そして、また、次回、トップトレーダーからの教訓を分析してみたい。